女性用の檜扇には金銀の箔を使った極彩色の美しい絵が描かれています。
(例えば「桐と鳳凰」・「梅竹流水」など)
「衵扇(あこめおうぎ)」と呼ばれ顔を隠すために使いました。
のちに飾り花をつけたりとどんどん大きくきれいになり
装飾品として用いられるようになりました。
有職では、
陰陽五行からきた
五色(青・赤・黄・白・黒)がよく用いられますが、
檜扇の紐だけは六色です。
これは檜扇に巻き付けた時に
隣り合う紐と撚り(より)の方向が互い違いになるよう、
偶数にしたと考えられます。
平成のご大礼では手元に向かって巻かれていました。
近代以降では開かずに紐を巻き付けたままで持ちます。
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たくみ人形
店主
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2013年に製作した
「狆引き官女」です。
「平成の狆引き官女」とでも申しましょうか。。。
「ナニコレ??」
と思わはった方も多いことでしょう!
保存状態のいい狆引き官女が非常に希少であり
このままではいつか風化する時が来る、
という危機感を持っていました。
幸いなことに
狆を作ってくれはる方との
出会いがあり、
やっとのことで「平成の狆引き官女」
を完成させることができたというわけです。
官女と狆の愛らしい表情、
何ともいえへん女性らしいしなやかな
色気と艶っぽさ。
宮中をお散歩させてはるところ。
何べん見てもいいワン!
2016年
灼熱地獄の真夏のとある日、
娘と二人でロケハンに出動したのも
愉快な思い出です(思い出したら笑う~)
お待たせしました。
「そもそも狆引き官女ってなに?」
の疑問にお答えしましょう!
江戸時代から大正の終わり頃まで
製作されていたといわれています。
徳川幕府五代将軍綱吉の時代、
狆はお座敷犬として飼われた
高級なお犬さまでした。
犬を安産のお守りと考え、
嫁いだ娘がめでたく赤ちゃんを授かり、
無事に安産を果たせますように…
という親の願いを狆引き官女に込めた
と考えられます。
ワンダフル!!
100年先に生きる人たちの目に
触れることが出来たら嬉しいなぁ。。
人形史に残るでしょうか??
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親王飾りや段飾りのお人形それぞれについて
ご説明します。
◇男雛・女雛
一対で親王といいます。
お内裏様という呼び名もありますが
それは天皇の住まいである御所(皇居)を
内裏といった名残であり、
親王飾りは天皇・皇后の婚礼の様子を模したものと
いわれています。
◇三人官女
女雛のお輿入れの際に一緒に参内し、
親王のお世話をする女官です。
段飾りの二段目におられることから
位の高い身分であったと思います。
普段の雑務の他、女雛の教育係としての
お役目もあったのではないでしょうか、、、
真ん中で座っている官女は眉を剃り
お歯黒で歯を黒く塗っていることから
既婚者であり一番の年長者であることが
わかります。
手に持つ小道具は向かって左から、
提子(ひさげ)、嶋台、長柄の銚子
で京都の官女には昔からこの小道具を持たせます。
写真の三人官女は「白い官女」で
京都独特のお姿です。
打掛を脱いだワーキングスタイルの官女さんたちですね、、、
◇五人囃子
能楽の囃子方を象った五人の少年演奏家たち。
髪型もおかっぱ頭です。
笛や太鼓、謡(うたい)で音楽を担当し
親王さまの婚礼を盛り上げたと思われます。
平安時代のジャニーズのような存在感ですね!
◇随身(ずいじん)
男雛からみて左手が年配の左大臣、
位の高い左を守っています。
右手には若々しい右大臣、
明るい色の袍(ほう)を着ていますね、、、
小道具に弓矢を持っていますが
来ている装束の色からは
宮廷を警護する位の高い武官であると思われます。
◇仕丁(じちょう)
仕丁というのは、親王の周りで雑用をこなす人達です。
雛段に登場する人物の中ではやや位は低くなります。
ほうきやちり取り、熊手を持ってお掃除するいでたちにも
愛嬌がありますね、、、
唯一の庶民出身であることも大きな特徴。
泣き顔、怒り顔、笑い顔とそれぞれ表情豊かです。
何事にも動じないのが美徳とされた宮中で、
泣いたり笑ったり、怒ったり。
人間味を感じさせるところも
仕丁の大きな魅力です!!
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◇木目込みと衣装着の雛人形の違いについて。
[弊店のお雛さま、たくみの京雛]
弊店が制作する「京雛」は
京都の「伝統的工芸品」に指定されています。
木目込みは「江戸木目込み」といって
関東の「伝統的工芸品」です。
大きな違いはその製法です。
弊店の京雛は、、、
①桐の木を使って芯になる胴体を作る=胴組み
②裂地を選び、柄がきっちり合うよう型紙を当て裁断する=裂地の裁断
③裁断した裂地に和紙で裏打ちして(袋張り)約300くらいある衣装の細かい部分を仕立てていく。
④胴体に綿を巻いたり木毛(もくめん)を詰めて肉付けする。
⑤そこに仕立てた衣装を一枚づつ着せ付けていく。
⑥さらに指の入らないわずかな隙間にまで綿や木毛を入れて造形美を微調整する。
⑦着せ付けが終わると、開いたままの腕を腕折り(かいなおり)し、
槙野巧雲独自の佇まいの美しいお雛さまが出来上がる。
⑥お顔、手足、小道具をつける。
⑥お姫さまは十二単衣、お殿さまは衣冠束帯の衣装を身に付けている。
木目込みの雛人形は、、、
①木の粉を糊と混ぜ合わせて型を作る。
②できた型に切り込みの線を入れる。
③切り込んだ線に生地をはさみ込んでいく。(木目込んでいく)
④お顔、手足をつける。
⑤お姫さまお殿さま共に、平面的な生地を貼り付けたような衣装になっている。
木目込みの人形は製作キットが売られています。
素人の方でも比較的簡単にできるので、
趣味で作ってはる方もたくさんいはります。
教室もあったりしますしね、、、
一般的に短時間で製作できるので大量生産がしやすいという特徴もあり、
使う生地の分量も少なくてすみます。
かたや、省スペースで飾れるメリットも、、、
衣装着の雛人形は十二単にみられる、
重ね着のお衣裳が特徴的です。
製法が全く違うので雛人形選びの参考にしてください。
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わたしらは 毎日ごくごく普通に当たり前に
使うてる道具ですけど 一般のお客様が見はったら
「これ何に使うの?」
て言う道具もいっぱいあります。
アルコールランプ。
衣裳を着せ付けたら頭をつける前に
「毛焼き」をします。
毛焼きというのは、
裂地の毛羽立ちをはさみで切るんではなく、
ちょっとずつ焼いていくんです。
アルコールランプの炎がちょうどええ強さやと
思います。
そやけどすごい神経を使う瞬間なんです。
油断したら 焦げてしまいますし・・・
主人が毛焼きしてる時に話しかけたら、
怒られますもん!!
中には全く毛焼きしはらへんかったり、
ライターの火でしはったりするお店もあるみたいです。
アルコールランプ・・・主張は控えめやけど、
実は大事な道具の一つなんですよぉ~
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お飾りや道具には、屏風や菱餅などから、
雛人形が持つ小道具まで様々なものがあります。
精巧につくられたお道具は、見ているだけで楽しくなります。
ここでは雛人形のお飾りやお道具についてご説明します。
◇屏風
屏風とは、部屋の仕切りや飾りなどに使う衝立のようなものです。
雛人形の道具としての屏風は、親王の後ろに立てかけて使います。
「場を間仕切る」という意味合いもあり、
生活のシーンの中で神聖な場所であることを
示すための仕切りのような役割も果たしています。
実際、披露宴の際にも新郎新婦の後には必ず屏風があります。
◇毛氈(もうせん)
毛氈はお雛さまたちの下に敷いてある真っ赤な敷物です。
羊毛などを圧縮して作った毛織物で、
命の色といわれる緋色の敷物を敷くことから
魔よけの意味を持つといわれています。
◇燭台(しょくだい)
長柄のロウソク立てを絹や和紙などで覆った灯具。
江戸時代の結婚式は夜に行うのが一般的だったため、
燈明の明かりは欠かせないものだったのです。
結婚式の華やかなライトアップですね。
ろうそくの代わりに油を用いていた時代もあります。
◇桜・橘
おひなさまのお飾りに左近の桜、右近の橘がありますが、
これは京都御所の紫宸殿の中庭にある桜と橘のお花を模したものです。
紫宸殿で行われる結婚式では、天皇と皇后が北を背景にして座し、
南に向かって左側に桜の木、右側に橘の木が植えられています。
建物から見て左に佐近衛府(さこんえふ)、
右に右近衛府(うこんえふ)という武官が並ぶことに由来しています。
794年の平安遷都の際には桜ではなく梅だったらしく、
仁明天皇の時代に桜にかえられたということです。
形や香りの優れた桜だけが選ばれて
守り育てられていくんです。
ちなみに東京の皇居の中庭には桜と橘ではなく
白梅が1本、紅梅が5本植えられてるそうです。
皇居の前庭に咲く紅白の梅を飾る雛人形もあります。
配置は向かって左に白梅、右に紅梅です。
◇貝桶(かいおけ)
貝桶とは六角形をしたうるし塗りのお道具で、
貝合わせ遊びの貝を入れておくための入れ物です。
江戸時代に大名の娘が嫁入り道具として持参したもので、
いつまでも夫婦仲良く幸せな結婚生活が続きように、、、
という親の願いが込められたお道具です。
よく似ているお道具で、円筒形の行器(ほかい)というお道具がありますが、
こちらは食べ物を入れておくお弁当箱のようなもの。
食べることに困らないように、、、
という親のねがいが込められたものです。
◇三宝(さんぽう)
漆塗りや白木の台のようなもので三方向に穴が開いています。
三方の上には徳利のような瓶子(へいし)が載り、
熨斗のついた梅や桃の花が飾られています。
現代では熨斗や水引など縁起物で花をあしらったお飾りになっていますが、
本来は三方に乗った瓶子に、魔よけの意味がある白酒を入れていたといわれています。
◇高坏(たかつき)
たかつきは、食べ物を盛るための脚付きの器です。
雛飾りでは紅白のお餅や和菓子を乗せています。
高貴な人に食べ物を献上するときに使う道具です。
三人官女それぞれの間に配置することが多いです。
◇菱餅
赤、白、緑のお餅を重ね菱形に切った菱餅は、
春らしい色合いで雛祭りを象徴するお餅です。
桃の節句の直会(なおらい)に頂く食べ物の一つで、
三色の菱餅は明治の頃から広まったといわれています。
上から順に赤、白、緑となっていますが、
これは雪の下には緑が芽吹き始め、
雪が溶けだした上に桃の花が咲いている様子を表したもの。
菱形には、長寿、子孫繁栄などさまざまな意味があり、
大地そのものを指す形であるとも言われています。
◇嫁入り道具
現代の日本でも、一部の地域では箪笥などの嫁入り道具を持参することがあります。
雛人形も結婚式を模したお飾りですから、嫁入り道具を小物として飾ります。
嫁入り道具は主に室内で使うもので構成されていて、
箪笥、長持、表刺袋(うわざしぶくろ)、火鉢、針箱、鏡台、茶道具などがあります。
漆塗りの金蒔絵で、嫁入り道具の豪華さが家の格式を表しました。
七段飾りでは六段目に、これらの嫁入り道具が並びます。
◇お輿入れ道具
「お輿入れ」とは、花嫁の乗った輿を婚礼の際に婚家に乗り入れたことから、
嫁入りのことを指しています。
雛人形のお輿入れ道具とは、主に屋外で使う嫁入り道具を指し、
屋内の小物の中では比較的大きい重箱とともに
一番下の段に飾るお道具のことです。
お輿入れ道具は、平安時代の貴族の乗り物「牛車」、
人力で運ぶ「輿」などがあります。
◇お道具やお飾りの単品購入や追加購入について
雛人形は上で挙げたような小物から、髪飾りや人形が持つ付属品までたくさんの小物があります。
毎年出し入れしているうちにうっかり落として壊れてしまったり、
小さなものを紛失してしまうこともあるでしょう。
そんな時は小道具だけの単品購入ができます。
ただし、嫁入り道具の鏡台が壊れたからといっても、
1点のみの購入は少し慎重になった方がいいかもしれません。
なぜなら他の道具類と並べて飾るので、
雰囲気が少しでも違うとちぐはぐな印象になってしまう可能性があるからです。
お道具類はセット販売をしていることが多いので、
同じ段に飾る小物はセットで購入した方がいいでしょう。
◇お道具の選び方
最近では、ライフスタイルに合わせて
お道具はシンプルにされる方が多くなっています。
お雛さまだけをシンプルに飾って、
インテリアに合わせてみるのも
楽しいのではないでしょうか、、、
◇お道具の保管方法や注意点
お道具やお飾りはとっても小さなものですので、
しまう時にもいくつか注意が必要です。
お姫様の檜扇、お殿様の冠や纓(えい:お殿様の冠に付ける)
などは特に小さなものですので、
薄紙に包んでからなくさないように一つの箱に一緒に入れて保管しましょう。
婚礼道具は手袋をしてから細い筆などでほこりを払い、
和紙など薄紙でくるんでから箱にしまいましょう。
ぼんぼりは布でできたライトの部分に防虫剤を入れてから箱にしまえば虫食いを防げます。
これらの片付けはよく晴れた湿気の少ない日に行いましょう。
保管は押し入れや納戸でよいのですが、
できるだけ上段にしまうことで湿気やカビを防ぐことができます。
雛人形の箱の上に物を重ねると
お人形やお道具の破損を招く恐れがあります。
箱の上には何も乗せずに保管しておきましょう。
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「雛人形をいつまでも美しく保つ秘訣」
①何年も仕舞いっぱなしにしないで毎年必ずお飾りください。
②梅雨が明けたころに
虫干しの意味も含めて箱のふたを開け、
中の湿った空気を入れ替えてください。
③詰め物や白い包み紙が古くなったり破れたりしたら
交換する・・・弊店では健康診断含め点検サービスを行っております。
(万が一修理が必要な際には実費を頂戴する場合があります。)
④雛人形にとって湿気は大敵です。
湿気の多いお部屋や押入れの下の段には収納しないでください。
⑤高温で乾燥しやすい屋根裏収納庫も避けてください。
⑥仕舞われる際、防虫剤を交換してください。
衣類用の防虫剤ではなく必ず「人形用防虫剤」
をドラッグストアなどで購入してください。
⑦箱に収納する際、お衣裳の裾が折れ曲がったり
重なったりして変な癖がつかないよう
御髪も整えて元通りの形で収納してください。
雛人形が届いて蓋を開けた際に収納の参考になるよう
お写真を撮っておかれることをお勧めいたします。
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