女の子のすこやかな成長と幸せを願い、
誕生をお祝いするひな祭り。
その雛祭りに飾る雛人形には、様々なお人形やお道具がたくさんあります。
男雛と女雛は左右どちらに並べればよいか、
お人形の持つ小道具や燭台、桜橘などのお飾りはどこに置けばよいかなど、
雛人形の飾り方や飾る際のポイントについてご紹介します。
◇親王飾りの飾り方
雛人形を飾る場所や収納スペースから
親王飾りにされる方が圧倒的に多くなりました。
男女一対の雛人形のみを飾るお飾りで、
室町時代まではこの親王飾りが主流でした。
さて、雛人形を飾る時、男雛は向かって右にかざりますか?
それとも左に飾りますか?
古代中国の思想に「天子南面す」という言葉があります。
それにより、京都御所の紫宸殿も南向きに建っています。
天皇が紫宸殿の高御座(たかみくら)に南を向いてお立ちになると
左が東になります。
東は日出る最高の方位ということで、尊いとされますので、
左に天皇様、右に皇后様という位置で立たれるわけです。
そのお姿をこちらから見ますと、
向かって右に天皇様、左に皇后様という並びになりますね。
この並びが、江戸時代から大正年間頃までは雛人形の伝統的な飾りつけ方でした。
しかし、昭和天皇の即位の際、皇室が導入した西洋式の儀礼に基づき
立ち位置が逆になられました。
この時のお姿を参考にした東京の人形業界がお雛さまの飾り位置も逆に置き換え、
普及したといわれています。
しかしながら弊店では昔の伝統的な習いのまま、
「日出る尊い東の方位、向かって右に男雛、左に女雛」
を飾り付けています。
屏風がある場合は親王の後ろに立てかけ、
お二人の左右の両端にぼんぼりや燭台(しょくだい)を並べます。
男雛の右手には杓(しゃく)を持たせ、
太刀がある場合は左腰に差します。
女雛の両手には檜扇を乗せましょう。
お花を飾る場合、
男雛の右手前に桜や紅梅を、女雛の左手前に橘や白梅を置きます。
◇三段飾りの飾り方
先ず段を組み立て、毛氈を敷きます。
下から順に左右の出幅を見ながら均等に敷いていきます。
その際、折りしわがあれば蒸気を当てて(やけどに気をつけてください)
伸ばして頂くとすっきり美しくなります。
一番上の段に屏風と燭台を並べます。
折れ目の角度が均一になるように置くのがポイントです。
屏風の前に親王のお二人を飾ってください。
二段目には三人官女を飾りましょう。
真ん中に座り姿の官女、
両端は人形が一歩踏み出している方の足が外側に来るように並べてください。
小道具の順番は左から堤子、嶋台、長柄の銚子を持たせます。
一番下の段には婚礼道具を飾ります。
順番は向かって左から、お駕籠、重箱、牛車の場合が多いですが
お輿入れ道具を飾る場合もありますので、
説明書に従ってお飾りください。
桜橘を飾る時には、親王の横かお道具の横か
見栄えとスペースを考慮して飾る場所を
決めていただければいいです。
◇七段飾りの飾り方
二段目までは三段飾りの飾り方と同じです。
三段目には五人囃子を飾ります。
並べ方は向かって左から座り、立ち、立ち、座り、座りの順で
それぞれ小道具は、太鼓、大鼓(おおかわ)、小鼓(こつづみ)、笛、謡(うたい)
の順番になります。
太鼓には太鼓台とばちが付き、
鼓、笛はそれぞれ手に持たせ、
謡には扇を持たせましょう。
四段目には随身(ずいしん)を飾ります。
向かって右が左大臣で黒い衣装のお爺さん、
向かって左は右大臣で黄丹色の衣装を着た若いお人形です。
その二人の間には膳揃、菱餅を飾ります。
五段目の両端に左近の桜、右近の橘を飾り、
その間に仕丁を飾ります。
向かって左から順に泣き、怒り、笑いの順に並べましょう。
小道具はそれぞれ熊手、ちり取り、ほうきの順番です。
六段目には婚礼道具を飾ります。
向かって左から順に箪笥、長持、火鉢、お針箱、鏡台、台子(お茶のお道具)を並べます。
最後七段目にはお輿入れ道具です。
向かって左からお駕籠、重箱、牛車の順にお飾りください。
◇雛人形を飾る際、順番はあるの?
段飾りの場合、飾る時は必ず最上段のものから順に飾っていきましょう。
下段から飾った場合、うっかり上の段の人形やお道具を落としてしまった際に、
下段の人形が一緒に転げ落ちたり傷ついて壊れてしまう恐れがあるからです。
手袋をしてお人形を汚さないように、
上の段から丁寧に並べてください。
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「雛人形の飾り方」
お雛さまのご予約をいただき、
お届けをお待ちいただいているお客様から毎年
「お雛さまをお迎えする用意をしたいのですが、、、」
と、お問い合わせをいただきます。
「雛人形の飾り方」についてのよくあるご質問です。
Q1.雛人形はどこに飾ればいいでしょうか?
A1.リビングや和室などご家族の皆さんが
毎日集まるお部屋に飾って楽しんでください。
飾っているあいだよく目にして頂けるところがいいですね、、、
Q2.玄関に飾るのはよくないですか?
A2.いいえ、玄関はお客さまをお迎えする場所。
お雛さまを飾ってお迎えするのは素敵な
おもてなしの心です。
Q3.和室がないのですが、
リビングに飾る場合直接床に飾っても大丈夫ですか?
A3.平飾りか段飾りかにもよりますが、
もし平飾りの場合は直接床に飾るよりも、
3~40㎝くらいの高さの台をご用意いただくか、
チェストや飾り棚の上にお飾りください。
Q4.南向きに飾るのが縁起がいいのでしょうか?
A4.向きは気にされなくて大丈夫です。
ただ、直射日光が当たる場所は避けていただく方が無難です。
Q5.子供には触らせない方がいいですね。
A5.初節句のお祝いの際には、
お雛さまをお子さまの手や身体に触れさせて
健やかな成長を祈願しましょう。
お子さまが3歳くらい、
分別がつく年齢になられましたら是非一緒にお飾りください。
大切なものを丁寧に扱うという所作が豊かな心を育みます。
この一年のお子さまの成長をしみじみ感じる
良い機会にもなることでしょう。
Q6.お雛さまの男雛と女雛は
どちらが右でどちらを左に飾るのでしょうか?
A6.雛人形の並べ方についてはこちらをごらんください。
Q7.リビングのインテリアに合った飾り方がしたいのですが、、、
A7.是非、お部屋のお写真をお持ちください。
お客様のライフスタイルに合った
飾り方のご提案をさせていただきます。
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※「雛人形の飾り方」
についてのご質問をたくさんお聞かせ下さい。
皆さんからいただきました
質問は「雛人形の飾り方」でご紹介させていただきます。
「こんなこと聞いたら恥ずかしいけどいっぺん聞いてみたい」
とか
「家ではこんな飾り方の工夫してるよ、見て!」
とか
「決まり事とかあるの?
こんなふうに飾りたいけどどうしたらいいの!」
といったお声をどんどんお寄せください。
日本全国の皆さんが参考にしたいに違いない、
と確信しています!!
お問い合わせフォームかお電話にてどうぞ。
お待ちしています。
TEL:075-441-8333
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お嬢ちゃんが初節句(上巳の節句)を迎えはる場合、
立春(2月4日)以降のお日柄の良い日を選んで
飾っていただくようにお話しています。
初節句以降の年からは、お正月の松が明けたら飾ってもろて
旧暦のお節句まで永く飾って愉しんでくれはってもいいです。
「3月3日が過ぎたらすぐにしまわないと婚期が遅れる、、、」
という言い伝えもありますが実際には根拠のないことで
京都では旧暦の桃の節句(4月3日)に
ひな祭りのお祝いをしはるお家もぎょうさんあります。
元々は4月になると桃の花が咲くので
「桃の節句」といわれるようになった
という説もあります。
焦って片づけなくても
4月3日頃までのお天気が良くて
カラッとした暖かい日を選んで
しまっていただくことをお勧めします。
二十四節気の雨水(2月19日)に飾るのが
最も縁起が良いともいわれています。
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◇雛人形はいつからいつまで飾るの?
初節句をお迎えの場合、立春(節分の翌日)を過ぎた
お日柄の良い日(大安や友引など)を選んで飾ります。
その後は二十四節気の雨水にあたる日(2月18日~19日頃)
に飾るのが縁起が良いとされています。
松が明けて一息ついた頃にお飾りいただいても大丈夫です。
仕舞う時期ですが、言い伝えで
「3月3日を過ぎたら急いで片づけないと結婚が遅くなる」
などといいましたが、
そもそもこの考えはきちんと片付ける習慣を子どもにつけさせるためのもので
最近ではだんだん廃れてきています。
一番大切なことは仕舞う際に湿気も一緒にお箱の中に入れないよう
「からっと晴れた湿気の少ないポカポカ春めいた暖かい日に片づける」
ということです。
京都や地域によっては旧暦のお節句、
4月3日頃まで飾って愉しむお家も多いです。
◇見栄えの良い飾り方のポイントはありますか?
例えば
・毛氈の折り目が目立たないよう蒸気を当てて
しわを伸ばす。
・檜扇の五色の紐も蒸気を当てて真っすぐに伸ばす。
・男雛の冠についている嬰は斜めになったり倒れかけたりしないよう
真っすぐにつける
・屏風の開き方は折れ目の角度がそれぞれ均等になるようにして開く。
・お人形やお道具を飾る際には、屏風の中心線から左右対称になるように
間隔に気をつける。
・出来るだけ広めのスペースにゆったりと飾る。
・お雛さまの美しさを際立たせるために
なるべくシンプルにすっきりと飾る。
◇ライフスタイルに合わせた飾り方
最近はインテリアにこだわった豊かな生活を楽しむ方が増えています。
お雛さまを飾る際にも難しく考えず、
ご自身の発想で自由に飾って愉しんでいただきたいと思います。
例えば桜・橘を飾らずお人形と一緒に生花を一輪飾る、
和紙を敷いてお雛さま単体を飾る、
インテリアに合わせたお皿や小さな食器と一緒に飾る、、、
など色々なアイデアを考えるだけで楽しくなってきます。
雛人形だけを単体で飾ることで省スペースでお飾りいただくことも
出来ますので、住宅事情に合わせてお選びいただきやすいかと思います。
ライフスタイルの変化に合わせて、
必要なお飾り(付属品)を必要に応じてその都度
購入していくのも一つの方法ではないでしょうか、、、
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雛人形は誰が飾るの?
毎年桃の節句を迎えるたびにお飾りされる際には、
ぜひお子さまと一緒にお話しながら飾ってください。
この一年を振り返り
色々な出来事を思い出したり
お子さまのご成長を愛おしく思ったり
そんな思い出を積み重ねて頂きたいと思います。
ご家族の年中行事の一つとして
お子さまの記憶の中に生き続けることと思います。
おじいさまやおばあさま、ご兄弟もご一緒に
大切に慈しんで育ててもらった記憶は成長の過程で非常に
大切な自己肯定感となります。
雛祭りを通してかけがえのない思い出作りを
なさっていただければ嬉しいです。
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◇雛人形はどこに飾るのがいいのでしょうか?
雛人形を飾る場所に決まりはありません。
しかしながら、せっかくの節目のお祝い事ですし、
季節を楽しむお雛さまですので、
たくさんの人に見てもらえる場所や風通しの良いお部屋、
家族みんなの集まるリビングなどに飾ってあげられると良いですね。
◇飾ってはいけない場所はありますか?
直射日光の当たるところは避けてください。
紫外線により人形が傷んだり、色が褪せる原因にもなります。
飾る場所というよりも、
飾る環境がお人形に適しているかどうかに気をつけるように心がけましょう。
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「五月人形って何を買えばいいんですか?」
この時期、こう言うてご来店いただくお客様が
何人かいはります。
そら、そうですね!
おひなさまみたいに、主役がはっきりしてへんし、
「人形」っていうわりにはお店で売ってるのは鎧とか兜が
ほとんどですし・・・
そやのに、なんで「五月人形」っていうんやろ・・・
一般のお客様にしたら、そう思わはって当然やと
思います。
おじいちゃんやおばあちゃんはよく、「大将さん」て
言わはります。
それはおそらく昔は五月人形いうたら、桃太郎さんとか
牛若丸とか、加藤清正とか神武天皇とかの
お人形さんを五月人形として
飾ることが多かったさかいやと思います。
そういうお人形さんたちを「大将さん」いうてました。
そやけど今は鎧か兜、鎧を着たお人形さん
を飾ってお祝いしはる方がほとんど
です。
これやないとあかん!という決まり事があるわけや
のうて、「たくましく、元気に、(できることなら出世も
して欲しい笑)」という願いを念頭に置いた
お飾りやったらええのです。
菖蒲や蓬(どちらも邪気を祓うといわれる薬草です)を
お供えしはるのも一つですね!
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