雛段のお人形について
親王飾りや段飾りのお人形それぞれについて
ご説明します。
◇男雛・女雛
一対で親王といいます。
お内裏様という呼び名もありますが
それは天皇の住まいである御所(皇居)を
内裏といった名残であり、
親王飾りは天皇・皇后の婚礼の様子を模したものと
いわれています。
◇三人官女
女雛のお輿入れの際に一緒に参内し、
親王のお世話をする女官です。
段飾りの二段目におられることから
位の高い身分であったと思います。
普段の雑務の他、女雛の教育係としての
お役目もあったのではないでしょうか、、、
真ん中で座っている官女は眉を剃り
お歯黒で歯を黒く塗っていることから
既婚者であり一番の年長者であることが
わかります。
手に持つ小道具は向かって左から、
提子(ひさげ)、嶋台、長柄の銚子
で京都の官女には昔からこの小道具を持たせます。
写真の三人官女は「白い官女」で
京都独特のお姿です。
打掛を脱いだワーキングスタイルの官女さんたちですね、、、
◇五人囃子
能楽の囃子方を象った五人の少年演奏家たち。
髪型もおかっぱ頭です。
笛や太鼓、謡(うたい)で音楽を担当し
親王さまの婚礼を盛り上げたと思われます。
平安時代のジャニーズのような存在感ですね!
◇随身(ずいじん)
男雛からみて左手が年配の左大臣、
位の高い左を守っています。
右手には若々しい右大臣、
明るい色の袍(ほう)を着ていますね、、、
小道具に弓矢を持っていますが
来ている装束の色からは
宮廷を警護する位の高い武官であると思われます。
◇仕丁(じちょう)
仕丁というのは、親王の周りで雑用をこなす人達です。
雛段に登場する人物の中ではやや位は低くなります。
ほうきやちり取り、熊手を持ってお掃除するいでたちにも
愛嬌がありますね、、、
唯一の庶民出身であることも大きな特徴。
泣き顔、怒り顔、笑い顔とそれぞれ表情豊かです。
何事にも動じないのが美徳とされた宮中で、
泣いたり笑ったり、怒ったり。
人間味を感じさせるところも
仕丁の大きな魅力です!!
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