工房便り

西陣からの便り
2015年10月15日

昨年から始まった

「ものづくりを支える」シリーズ。(其のⅠはこちら

大変永らくお待たせいたしました!!笑

シリーズ 其のⅡ・・・「自然素材のもくめん」。

昔は、りんごやメロンなどのくだものを箱詰めする時の

緩衝材としてよくみかけました。
厳選された丹波産の松の木をカンナ掛けして、
糸のように細く長くした、繊細で美しい伝統的な自然素材です。

「もくめん」は、雛人形作りを支える、なくてはならない材料のうちの
一つなんですよ!

でも今や、手間を省く為に、代わりに 化繊の綿や発泡ウレタンを
使うお店がほとんどです。

そやけど、やっぱり「もくめん」でないと
お人形の自然な肉付きを表現することができません。
(お人形の手足や胸、お腹周り、肩などに入れていきます)

手間をかけて、ちょっとずつ増やしたり減らしたりして
肉付きを加減していくんですよ。

もくめんの質感や繊細な硬さにより、微妙な空気の層ができるので
おひなさまの美しい佇まいをつくる腕(かいな)折り・・・
*(人形師の腕がわかる、一番集中力のいる作業)*
に重要な役割を担っています。

化繊の綿のように反発しないので、余計なふくらみが出ることなく
人形の、自然で美しいラインを出すことができるのです。

「でも、外から見えへんところやのに、何でそこまでするん?」
と思わはるかもしれません。

でもそうやって手間をかけてあげることで、おひなさまの
醸し出す空気が全く違うてくるんです。

ドイツのシュタイフ社のテディーベアにも使われているんですよ!!

外からは見えへんところにも、丁寧に手をかける、
それがほんまもんの手仕事いうもんやと思います。
(ちょっとええかっこ言うてしまいました笑)

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願いのままにかたちをつくる「お誂え専門の京ひな人形工房」です。私たちはおひとりおひとりのお客さまの想いをお聞きしてから、お雛さまをつくり始めます。
どんな願いを込めたものにしたいのか、どんな想いがそこにあるのか。京都西陣にある、昔ながらのひな人形工房に、お客さまの声をどうぞお聞かせください。